あなた好みの銘柄が必ず見つかります。
個性的で多種多様、
素晴らしいベルギービールの魅力をあなたに。
九州の約70%ほどの大きさの国土に約1000万人の人々が暮らすヨーロッパの小国ベルギー。ですが、1000種類以上ものビールの銘柄を持ち、国民ひとり当たりのビール消費量は日本の約2倍近くもあります。民族による嗜好性の違いや、さまざまな国の影響を受けた結果それぞれの文化を取り入れていったという歴史から、多種多様な味わいを持つ多くの銘柄が生まれたと考えられています。それぞれの土地には必ずビアカフェがあり、多種多様な香りと味わいのベルギービールを愉しむことができます。
ベルギービールを世界に広めた伝道師、マイケル・ジャクソン(※)の分類方法を参考に、味、製法、地域性、歴史的背景などを考慮に入れて、もっともわかりやすいと思われる10のカテゴリーに分類しています。
※イギリス人評論家・ライター。著書『マイケル・ジャクソンの地ビールの世界』など。
大麦に加えて、小麦(または小麦麦芽)を大量に使用して造られるビール。色は霞がかった薄黄色で泡持ちがよく、さわやかな香りと酸味が特徴。
淡く美しい金色で、アルコール度数が高く、コクはあるが口当たりまろやか。アルコール度数の高いものは「ストロング・ゴールデン・エール」と呼ばれます。
農家が冬の間に仕込んで、夏に飲むために貯蔵しておいたビールで、南部のワロン地方で主に造られています。オレンジ色でフルーティな味わいが特徴。
西フランデレン州で造られる、さわやかな酸味を持ったビールで、元祖はローデンバッハ。発酵後、巨大なオーク樽に入れて熟成させます。
主に東フランデレン州で醸造される茶褐色のビール。新しいビールと熟成したビールをブレンドし二次発酵させることで、複雑な味わいが生まれます。
修道院から委託を受けて一般の醸造所によって造られるビール。トラピストビールと同様、味や色はビールによって異なります。
醸造所を持つトラピスト会修道院で造られるものだけが「トラピストビール」を名乗れます。現在はベルギー国内の6ヶ所を含む10ヶ所のみ。
野生酵母によって発酵させる、強い酸味が特徴の伝統的なビール。グーズのほかに、フランボワーズ、クリークなど果実系のものもあります。
日本で飲まれる一般的なビールと同じタイプ。チェコのピルゼンで生まれたことから名付けられ、淡い色ですっきりした味わい。
ベルギーには、他の9つのカテゴリーのどれにも属さない多くの地ビールがあります。それぞれ造られる地域の風土と深く関わった個性的なビールで味わいはさまざま。
ベルギービールには、その銘柄やブランドごとにそれぞれ決まったグラスがあります。カフェでは、たとえビールがあっても専用グラスが出払っている場合、ビールは出してくれないことがあります。そのビールをもっともいいコンディションで飲めるように造られているグラスでなければ飲ませない、それほど管理が徹底しているのです。
名前からもわかるとおり、形はキリスト教の儀式でワインを入れる聖杯を模しています。トラピストやアビイなどの修道院ビールに多く、飲み口が広いのは、芳醇な香りを楽しむため。
口の下にあるくびれた部分で泡を押さえつけて固めることで、泡持ちをよくするとともに、泡がグラスの外にあふれ出すのを防いでいます。
ホワイトビールやセゾンビールなど、色が薄めで低い温度で飲みたいビールは、ズシリと重たいこれで。
細身の足付きタンブラーやフルート型+チューリップ型、聖杯型+チューリップ型など、いくつかのタイプのグラスがブレンドされた形。
ジョッキ型や台付きなど取っ手のあるもの、または、他の5種には収まりきらない特殊な形のものが、ここに分類されます。
フランボワーズなど、ランビック系の酸味のあるビールや、シャンパーニュと同じような製法で造られたビールに多い。泡が逃げないように表面積が小さく、細長いフォルムに。適度に泡立てることができ、色合いを愉しめる形でもある。
ボトル・グラス撮影:森隆志(三輪一記+石黒謙吾 『ベルギービール大全』より)